先週の木曜日、はち歯科のスタッフ対象で
松嶋啓介シェフにオンライン料理講座を開催していただきました。
松嶋シェフは、福岡県春日市出身で、地元は、はち歯科のすぐ近く。
18歳で料理人を目指し上京、東京・フランスで料理を学び、25歳でフランスでフランス料理のお店を開業後、外国人最年少でミシュランの星を獲得。
その後、日本でもフレンチレストランを開業し、ミシュランを獲得。
料理人としてだけではなく、食を通じた様々な活動、社会問題などにも目を向け多方面で活躍されているシェフです。
今回の講座では「がめ煮」を教わりました。
がめ煮は福岡の郷土料理で、栄養化が高く身体に優しい料理です。
鶏肉を皮目から弱火でじっくりと焼き、人参・ゴボウ・里芋・レンコン・椎茸・こんにゃくなどの具材を入れていきます。
火加減はずっと弱火のまま。アク抜きも必要なし。
優しい火でゆっくりと時間をかけて煮ることで、素材本来の旨味や香りが残り、調味料も一切入れず、だし汁と食材の味だけで作ります。
がめ煮を作ったことがあるスタッフは多かったのですが、調味料を加えずに作ったのははじめてでした。
料理の工程自体はとても簡単ですが、本来食材がもっている味で、優しくて美味しい煮物が出来上がり、スタッフの子供たちからも美味しいとの感想が!
美味しい = 調味料で味を整える
ことではなく、
食材をどう料理するか、材料の使い方、食し方について考える素敵な機会になりました。
また、松嶋シェフから教わったのは、料理の作り方だけでなく”食”の考えかた、食育についてなども。
人生100年時代と言われる現代だからこそ、100歳になるまで、心も身体も健康で元気に生きるための”食”生活が重要だということ。
その為には、ハレの日、ケの日の料理とメリハリをつけた食生活を心がけ塩や調味料に頼らず、食材本来の栄養や旨味を味わう料理を食すること。
また、これを幼少期の舌が敏感なときからしっかりと”食育”としてコントロールしてあげることが大人の役目であること。
時代とともに生活環境や習慣も変わり、時短料理や、簡単につくれる料理が求められがちですが、食材の本来の旨味を損なわない為に、
”優しい火でゆっくりと時間をかけ、調味料に頼るのではなく食材の味を味わうこと”
これが心と身体を健康に保つ為に必要なことだと学びました。
はち歯科では、歯科医院として治療だけではなく、お口を通し患者さまの健康を守ることを使命だと考えています。
口腔内の健康は、身体全身の健康に深く関わっており、健康を維持するのに欠かせないのが”食”です。
楽しく食事をすること
美味しく食事をすること
そして健康の為に食事をすること
これがバランス良く毎日の生活に取り入れることができれば、健康は保たれると考えています。
身体の為に、ただただ栄養のあるものを口にいれる作業になってしまっては食の楽しみを失ってしまいます。
管理栄養士を中心に、栄養に関しての講座や、食生活の指導などを行っておりますが、以前より、美味しく健康を保つ食生活をご提案することには課題感がありました。
健康を維持する為の料理 = 美味しく食する料理
を結びつけるのは難しく、さらに簡単に料理ができるものでなければ、患者さまにも継続してもらうことが難しいと考えていたからです。
しかし、今回の講習を受けて、食材が持つ旨味が本来の美味しさであり、難しいことではないと。
私たち自身も”食”について考え直す良い機会になりました。
また、改めて幼少期からの”食育”は非常に大切だと感じました。
大人になり食生活を改善する事は可能ではありますが、生活習慣を変えることは簡単ではありません。
口腔内の成長も成長期に形成される為、やはり幼少期からの”食育”が非常に大切で、同時に本当に美味しいものを美味しいと感じる味覚の形成も”食育”として非常に重要なことだと学びました。
世界的に活躍されているシェフでありながら、食育について日本の社会問題について目を向け、他分野に渡り勉強され、行動されている姿勢に松嶋シェフの人柄から学ぶことが沢山ありました。
はち歯科も、お口を通して患者さまの健康を守るという使命を遂行する為にこれからも学び続け、患者さまに寄り添う歯科医院として取り組んでいきたいと思います。