ことろば
「こころ」と「ことば」を育む場
ことろばの想い
ことろばは、小児専門の言語聴覚士が、お子さまのことばや発達に関してお悩みや困りごとを支援する場所です。小児領域における言語聴覚士は、全国的にも不足しており、適切な時期に検査や訓練をおこなえる施設は多くありません。
ことばや聞こえ、発音、吃音、コミュニケーション、飲み込み(嚥下)、 その他お悩みや気になることがあればお気軽ご相談ください。
ご挨拶
馬場 聡(ばば さとる)
はち歯科医院理事長 / 歯科医師
口腔機能の発達のなかで、言語機能の発達は、哺乳類の中でも人間にしか与えられてない能力であり、人間の個性であります。その発達は就学前までにしっかりと診てあげることがとても必要です。歯科医院の中で、言語治療を行うところは全国でも多くはありません。しかし、医療において、歯科医院では言語聴覚士の先生と診ていくところが重なっており、これからの医療のカタチの1つであると考えています。
小児の言語聴覚士の先生はとても少なく、どの地域でも十分な言語医療を受けることは難しいと言われています。少しでも多くの子どもたちを診ることで、子どもたちの未来をしっかりと導くことができると信じています。
「ことろば」には「こころ」と「ことば」を育むという想いが込められてます。人間には「こころ」があって、その「こころ」を表現できるのが「ことば」です。「こころ」と「ことば」が育まれていく多くの子どもたちが社会や地域で活躍する事を願ってます。
「ことろば」の取り組みの応援をどうぞよろしくお願い致します。
竹山 孝明 (たけやま たかあき)
ことろば相談員 / 主任言語聴覚士
「ことば」は、人間に与えられた特別なシンボルであり、人と人が繋がり、心や生活を豊かにすることのできる便利な道具の1つです。近年、歯科医院でも「ことば」の発達に関する多くの相談を受けるようになりました。そこで当院は、これらのニーズについて、気軽に相談できる場を設けることにしました。
それが「ことろば」です。
地域社会の中で、ご家族とともにお子さまの「こころ」と「ことば」の成長に寄り添う存在でありたいと願っております。お子さまの日々の成長を見守る中で、ことばやその他の発達について少しでも気になることがございましたら、気軽に「ことろば」までご相談ください。
「ことば」と「こころ」の発達について
こんな気づきや困りごとがありましたら、ご相談ください
- 呼んでも振り返らない
- 聞き返すことが多い
- テレビの音を大きくして聞く
- 理解できることばが少ない
- 理解しているのに、
話すことばが少ない
- ことばが不明瞭
- 発音に誤りがある
例)かめ→タメ、さかな→タカナ、ちゃかな
- はじめの音を繰り返す
- はじめの音を引き伸ばす
- ことばが出てこないことがある
- オウム返しが多い
- 一方的に話すことが多い
- お友達と遊べない
- 学習の時に文字が
スラスラ読めない - 言い誤りや書き誤りが多い
ことばの発達に関連する要因
- 感覚の発達(感覚統合)
-
- 視覚
- 聴覚
- 嗅覚
- 味覚
- 触覚
- 固有覚
- 前庭覚
- 運動発達(発声・発語器官の発達)
-
- 粗大運動
- 微細運動
- 声を出す働き
- 口唇や舌の動き
- 脳の発達
-
- 意欲
- 思考(考える力)
- 記憶(覚える力)
- 本能(食欲・睡眠欲など)
- 情動(快、不快、不安、怒りなど)
- 認知機能の発達
-
- 視知覚(見て認識)
- 聴知覚(聞いて認識)
- 触知覚(触れて認識)
- 社会性の発達
-
- 事物への興味
- 他者意識
- コミュニケーション意欲
よくある質問
ことばの発達は個人差が大きく、1 歳で意味のあることばが幾つか出ているお子さんもいれば、まだはっきりとしたことばが話せないお子さんもいます。そのため、1 歳になった時に単語が出ていなくても心配する必要はありません。まずは、ことばを理解する力をしっかりと育ててあげましょう。 もし、1 歳 6 か月児健診で何か問題があった場合や、全くことばが見 られない場合には、一度ご相談することをお勧めします。
“ことろば ” では、基本的に何歳からでもご相談に応じますので、ご心配なことがございましたら遠慮なくご連絡ください。
発音の誤りは、発達の過程で誰にでも見られるもので、一般的には成長とともに正しい発音が完成していきます。また、発音は全ての音が同時期に完成するわけではなく、「パ・バ・マ」のように早くから産生できる音もあれば、「サ行」や「ラ行」のように完成までに時間がかかる音もあります。お子さまの発音や発達の状態を確認させていただいた上で詳しくお伝えいたしますので、4 歳を過ぎて発音の誤りが気になる場合は、一度ご相談ください。
吃音を含め非流暢な話し方は2歳から4歳にかけての時期に最も現れやすいとされていますが、お子さんによってはこの時期にみられる症状の多くは一時的なものであり、自然に改善すると言われています。その一方で、吃音の症状が長期に渡り持続したり、症状の程度に波がみられることもあります。初めて吃音の症状が見られてから6か月以上が経過しても改善がみられない場合や症状が悪化していると感じる場合、また就学まで残り1年半を迎える段階で症状がみられる場合には一度ご相談ください。
もちろん、就学後に症状がみられる場合の対応も致しますので、遠慮なくご相談ください。
“ ことろば ”では、初診時にご相談内容に関する問診を行うとともに、お子さまの発達の状態を大まかに把握するための評価をさせていただき、ご家庭でできることや普段の生活でお願いしたいことなどをお伝え致します。また必要な場合には、初回以降に詳しい検査を行い、全体的な発達や能力の偏りの有無などを評価させていただいた上で、訓練の方針や内容を検討致します。
訓練頻度については、ご相談内容やお子さまの状況によって異なりますが、基本的には週1回を原則としております。
小児の言語聴覚療法 × 歯科
遮蔽等に配慮した
専用の個別療法室(8㎡以上)
小児専門の言語聴覚士が在籍
言語聴覚士法(第 42,43 条)にて、「言語聴覚士は、その業務を行うに当たっては、医師、歯科医師の指示のもとで業務を行い、その他の医療関係者との緊密な連携を図り、適正な医療の確保に努めなければならない」と定められています。
当院に来院されるお子さまについて、お口の中の疾患だけでなく機能面や発音、言語に関わる相談を受けることも多くなりました。小児言語リハビリテーション部門の開設に当たり、歯科医師と密に連携を取りながらサポートを行っていく体制と、厚生局のガイドライン施設基準、要件を満たし、十分に検査や訓練ができる環境を整えています。