突然ですが、この写真を見て皆さんはどう思われますか?
この患者さんは3年前に左上の銀歯がとれて来院された方です。
この方は、24時間勤務の所に勤め、休みが不定休な為に定期的な来院が困難な方でした。
銀歯がとれたところは応急処置を行ましたが、歯磨きの仕方に問題があると判断し、まずは正しい歯磨きの仕方を指導することにしました。
■ まずは染め出しから
染出しとは、歯についている歯垢を染めることによって磨き残している所が分かりやすくなる方法です。
色がついている所が磨き残している所で、色が濃いほど古い汚れになります。
まずこの写真から読み取れることは磨き方に癖があり、汚れの質から見て糖分が多く含まれる飲食がある事と、口呼吸があり口の中が乾燥している傾向があります。
また、咬み合わせる力が強く喫煙歴もあります。
まずは癖のある磨き方を正しく磨けるように指導しました。
奥歯ばかり磨いている状態で、前歯を磨き忘れていたので磨く順番を決め、歯ブラシの動かし方も大きかったので、細かく動かして磨いて頂くように指導しました。
それと同時に、生活指導も行いました。
・食事指導(糖質制限・口腔内に残りにくい物を選んで食べてもらう)
・歯磨きが出来ない時はうがいだけでもしてもらう
・禁煙指導(まずは本数を減らしてもらう)
・マウスピース(歯ぎしり・食いしばりの予防)
以上の事を指導し守って頂きながら生活して頂く様にお願いしました。
しかし、しばらくすると仕事や家庭環境の変化により来院されなくなってしまいました・・・。
それから3年後、再来院されました。その時の状態がこちらの写真です。
3年空いたにもかかわらず、初めて来院された時よりも良い状態でした。
これには私たちも驚かされました!
最初に行った指導をしっかりと守って頂いており、3年も歯科医院に行ってないとは思えないくらいキレイな状態を維持して頂けてました。
その後、再度染出しを行いました。
初めの写真と比較しても明らかにきれいに磨いているのがわかります!
磨き方の癖の改善が出来ており、汚れの質も変わっています。
ただし喫煙に関しては本数は減りましたが禁煙までには至りませんでした。。
そして、銀歯がとれていた所は、3年の間に悪くなってしまい歯の神経を取ることとなってしまいました・・・。
この患者さんを通してわかったことが正しい指導を受け、それを実践することで歯科医院に来れなくなっても最低限の口腔内環境を維持できるということです。
ただし虫歯や歯周病はしっかりと治療を受けなければ悪くなってしまうので定期的に歯科医院に通うようにしましょう。