先日、
~症例検討から学ぼう~ 実践!ペリオドントロジーダイジェスト
という、歯周病についてのセミナーをはち歯科医院の歯科衛生士4名で参加してきました。
講師は大阪大学大学院歯学部研究科長・歯学部長の天野敦雄教授、 にしだわたる糖尿内科院長の西田亙先生です。
歯科衛生士としての業務のなかで、歯周病の治療や予防は欠かせないものです。
今回のセミナーで「最新の歯周病学」を天野教授に、「伝わる患者指導の方法」を西田先生から学ばせて頂きました。
ひとのお口には菌がたくさん!!
お口の中の細菌は700種類ほどありますが、1人の口の中に全部の種類はいません。
九州大学の調査によると少ない人で30種類くらい、多い人で300種類くらいであるとされています。
歯周病の治療をしても菌の種類は減ることはないです。(追い出せないのです)
しかし菌の数(量)を減少させることは出来ます。
歯科衛生士のミッションはその細菌数を減らすことです。
また、汚れがたくさんついているからといって、重度の歯周病を引き起こすわけでもないことがわかってきました。
少量の汚れ(バイオフィルム)でも強い病原性を持ち、重度の歯周病を引き起こすことがあるのです。
※バイオフィルムとは、細菌の塊のことです。細菌同士が寄り集まってスクラムを組んだような状態で歯面などにへばりついています。お風呂の排水溝やシンクの三角コーナーなどで見られるヌルヌルとしたようなものです。
日本人の大人はほとんどが歯周病!?
日本人成人の約7割が歯周病菌(Pg菌)に感染しているといわれています。 その歯周病菌は一体どこからきて、いつ感染しているのでしょうか?
■ 歯周病菌はどこからやってきた?
歯周病菌の主な感染経路は唾液からの経口感染であり、食べものや手などを介して口から細菌が入ることから感染すると言われています。
・親しい友人や家族から食べ物の直箸や飲み物の回し飲み
・ペットから(ほとんどの犬にはポリフェモナス菌という歯周病菌の一種がいるといわれています)
■ 何歳頃に感染するの?
日本人の成人約7割が感染するといわれる歯周病菌のひとつ(Pg菌)に、感染するのが18歳以降だといわれています。
そうだからといって、子供のうちは歯周病に気をつけなくて良いというわけではありません。
このPg菌に感染するかしないかの土台は、小学生のうちにできてしまうのです。
この土台ができなかったら、強い歯周病を引き起こす細菌には感染しづらいという研究結果がアメリカででています。
ピラミッドの頂点、赤い部分が歯周病菌(Pg菌)などです。
このことから、小さなころからの予防で歯周病菌への感染を防げる可能性があるといえます。
今回のセミナーでこのようなことを学ばせていただきました。
今回のセミナー内容にもつながる、最新の歯周病学を分かりやすく知れるのが 天野先生の著書「歯科衛生士のための21世紀のペリオドントロジーダイジェスト」です!
書ききれませんが、まだまだ歯周病について分かっていることが沢山あります。
今回のセミナーで学んだことをはち歯科医院全体で患者さまにお伝えさせていただき、 いつまでもしっかり自分の歯で噛めるように一緒に歯を守っていきましょう。