むし歯や歯周病予防には、「食べたすぐ後に歯磨きを」と思ってはいませんか?
食後の歯磨きはとても大切ですが、磨くタイミングを誤ると逆に歯を弱くしてしまうことがあります。
ではベストなタイミングとはいつでしょうか。
■ 理想の歯磨きのタイミングは食後30分経ってから!!
実は、食後すぐではなく、30分~1時間程度あけてからの歯磨きが、1番リスクの少ない歯磨きのタイミングになります。
■ なぜ、30分〜1時間置く必要があるのでしょうか?
食事を行うとすぐに、口の中が通常は中性・弱酸性の状態から酸性の状態になります。酸性の状態になることを脱灰(だっかい)といいます。
その状態で歯を磨く事によって歯面を傷つけたり、さらに脱灰を進めてしまう可能性がでてきます。脱灰が進むとエナメル質を溶かし、そこからむし歯になっていきます。
■ 歯磨きのタイミングを知るステファンカーブとは??
食後20分程度時間が過ぎると、唾液の力によって緩衝作用(お口の中の状態を中性に戻そうとする働き)が始まり、リンやカルシウムが戻り始めます。
この時のお口の中の状態を、再石灰化といいます。(再石灰化とは、歯を健康な状態に戻すこと。)
再石灰化を促進する為には歯垢をブラッシングできれいに落とすことや、唾液を充分に歯に接触させることが大切です。
脱灰、再石灰化の仕組みを表したものが下図のステファンカーブです。
■ 食事の取り方にも注意を!
たとえば飲み物です。コーヒーや栄養ドリンクなどジュース以外にも糖は必ず含まれています。そこで飲み物はお水かお茶にしてみましょう。
次に食べ物です。食事で完全に糖を摂らないことはなかなかできないですよね。
そこでアメやキャラメル、菓子パンなどの加工食品ではなく、野菜や果物、などの無加工のものを食べる事をオススメします。お米も精米ではなく玄米や雑穀米のほうが、糖は少なくなる上、栄養価も高くなりますよ。
当院には管理栄養士も在籍しており、食事の取り方についてアドバイスが出来ますので、お気軽にご相談ください。
砂糖についてはこちら↓の記事をぜひごらんください。
■ あなたに合った歯磨きをしましょう。
歯磨きのタイミングは、その人によって全く異なります。
理想は食後30分~1時間、時間をあけることです。
しかし、学校のルール、仕事、子育ての環境など多くの外部環境に合わせて、歯磨きを習慣化する必要があります。理想にとらわれず、ご自身に合った歯磨き習慣を見つけることが大切になります。
うがいをするだけでも変わってくるので、少しでもお口の中を清潔に保てるように心掛けましょう。また、普段の食生活にも気を配り、なるべく栄養価が高く身体によい食事を行う様にしてください。
■ はち歯科での歯磨き指導
当院では歯磨き指導に力をいれています。
まずは、染め出しといって歯についている汚れを、色の着いた液で染め出します。その際、普段お家で使っているハブラシや歯みがき粉を持ってきていただき、普段から磨き残しの多い場所を把握してもらった上で、正しい歯磨きの方法や、その人に合ったブラッシング指導を行っています。
また、ハブラシや歯みがき粉の選び方も同時に行っています。
■ まとめ
・食後30分ほどあけてから歯磨きをする
・なるべく糖分の入ったもの、加工食品を食べないようにする
・自分の生活や口の中にあった歯磨きを心がける
これらを意識して行い、より丈夫な歯をめざしましょう。