小児矯正って本当に必要?年間200人の子どもたちを診てきた歯科医師が徹底解説

白石みなえ先生

ズバリ!小児矯正は早いうちにやっていたほうがいいに越したことはありません。近年様々な要因から子どもたちの顎が小さくなってきてるのです。見た目だけではなく、噛み合わせ、姿勢、呼吸方法により将来様々な問題が起きることは目に見えて容易に想像できます。

最近クリニックに通ってくれる子どもたちのお口の中を見ると、あれ?歯が生える場所がない!と驚くことが少なくありません。

子ども顎ってこんなに小さかった?

子どもの歯ってこんなに大きかった?

子どもの時からこんなにも矯正って必要だった?

こんな風に思われる保護者の方も多くいらっしゃいます。

いつから矯正が必要なのか?

そもそも矯正が必要なのか?

そんなお悩みを受けることも増えてきました。

今回は「小児矯正の必要性」をテーマにお話ししたいと思います。

小児矯正の必要性その1 成長期へのアプローチだからこそ顎が成長できる

「小児矯正」は大人の矯正治療と大きな違いがあります。

成長に合わせて治療ができるということ

子どものお口の中は、それぞれの成長のステージで大きく変化します。

顎の大きさ、顎の位置、歯の生える順番、顔の成長、お口周りの筋肉の使い方、全てが治療の対象になります。

頭の骨っていつまでにどのくらい大きくなる?

実は6歳くらいまでに約80%が成長すると言われています。

6歳までの過ごし方が、頭の骨やその周りの成長、お顔の成長に影響すると言われています。

小児矯正は歯並びだけを見るのではなく、お子さんひとりひとりがどんな呼吸をしているのか、鼻づまりやアレルギーで困っていないか、話し方や食べ方に問題がないかも含めて正しい方向に成長を導くことを大切にしています。

歯並びが悪いことは、SOSのサイン

サインを見逃すことなく正しく成長させるのが小児矯正です。

小児矯正の必要性その2  顔が変わる

お口ポカーンなってませんか?

最近、子どもたちのお口がいつも開いている「お口ポカーン」をよくみます。

近年、朝日大学の先生方の研究で、約3割の子どもが「お口ポカーン」の状態にあることがわかりました。

「お口ポカーン」の状態になるのはさまざまな原因が考えられると言われています。

  • 習慣的に口が開いている子
  • 鼻がつまってて鼻で呼吸することが難しい子
  • 鼻の構造に問題がある子    etc.

もしこの大切な時期にお口がいつもポカーンと開いていたり、正しいお口周りの筋肉の使い方をしていなかったり、姿勢が悪かったりすると、頭や顔の成長が正しく進まず、それによって顎が上手に成長できず、結果的に歯並びが悪くなってしまいます。

鼻詰まりの子は上顎が小さい?

当院で数年間にわたり「鼻づまりと上顎の大きさに関係があるのか」を調査した結果、なんと鼻づまりの子の9割に上顎狭小(上顎が小さい)が認められました。

もちろん、鼻づまりがあっても歯並びが綺麗な子もいます。

がしかし、多くの場合、鼻に問題があると上顎の成長がうまくいかず、結果的に歯並びが悪くなってしまうことが非常に多いと言われています。

舌の場所は正しい位置にありますか?

もう一つ大切なのは、舌の場所!

みなさんの舌はいつもどこにありますか?

保護者の方に歯並びのご相談を受ける時、必ず「舌はいつもどこにありますか?」とお尋ねすると、「え?知らない・・・」と言われることがほとんどです。

舌の正しい場所は上顎です。

お口がポカーンと開いていると、舌はいつも下の歯の裏側にあります。

もしくは奥歯に舌が乗っていることもあります。

この状態では、お口周りの筋肉や舌が正しく働かず上顎が成長できません。

舌が上顎にあるためには、お口を閉じて鼻呼吸がマストです。

口呼吸をしていると、顔が縦に長くなってしまうこともわかっています。

白石みなえ先生

素敵なお顔の成長には、お口を閉じてお鼻で呼吸!

正しい姿勢やお口周りの正しい筋肉の使い方を身につけましょう

小さい頃からの過ごし方でお顔まで変わってしまうのです。

健康で素敵な笑顔は小さい頃からの積み重ねで作られます。

小児矯正の必要性その3  自分に自信が持てるようになる

「人の印象は最初の3秒で決まる」

この言葉、聞いたことがありますか?

人は見た目が全てではないけれど、口元の印象はその人の印象を大きく左右します。

あるお子さんが初めて当院を受診した時、笑顔がなくとてもおとなしい印象でした。

そのお子さんは口を閉じようと努力している様子が伝わってきており、閉じるのがやや難しそうな状態でした。

お口の中を見ると、かなりの出っ歯。

保護者の方もお子さん自身も歯並びをとても気にして相談に来られていました。

よくよく話を聞いてみるといじめにあっているとのこと。

実はこのようなケース少なくありません。

それが原因で歯を出してニコッと笑うのが難しくなっている子や、内向的になってしまう子もいます。

このお子さんもその一人でした。

歯並びが悪くなる原因は様々ですが、このお子さんの場合、鼻づまりもありその対策と歯科における対応の両方が必要と判断し、連携先の小児科の先生に相談し同時に歯並び治療も開始しました。

なんと、みるみるうちに鼻づまりも解消され、歯並びも少しずつ改善。

笑顔まで見せてくれるようになりました。

学校生活もうまくいくようになり、元気に毎日過ごせていると保護者の方も安心されたケースを経験したことがあります。

小児矯正を行う際、子どもの環境にも配慮する必要があると考えています。

子どもの少しの変化に気づけるのも非常に重要であり、矯正を通じて陰ながらのサポートができることも大切な役割の一つであると思います。

子どもたち自信で自分で習慣化する力を身につけることができる

さらに、子どもたちを見ていると、小児矯正を通じて「自分で習慣化する力を身につける」ことができるように思います。

例えば治療の中で使用するマウスピースや拡大装置、トレーニングを頑張るのは子ども自身。

もちろん保護者の方のご協力なしには成功に導くことはできません。

最初はやる気のないお子さんでも、少しずつアプローチし、その子のやる気スイッチが入った瞬間の子どもの変化は目を見張るものがあります。

歯並びの治療だけでなく、子どもの「できる」を引き出し、サポートする存在になることも小児矯正に関わる私たちの役割であると考えています。

小児矯正、ホントに必要?

小児矯正を成長期にすることのメリットはまだまだたくさんありますが、今回は小児矯正の必要性について3テーマに分けてお話してきました。

お母さん

必要性はわかった、でもホントに必要なの?

と言う疑問を持たれる方が多いのも事実です。

お母さん

「歯が生え変わってからが矯正をしましょう」とかかりつけの先生に言われました。

この様な相談を受けることがあります。

実際にそんなに歯並びの問題を抱えていない場合などには次のように説明しています。

小児矯正に関しては様々な意見があり、経験のある先生方がたくさんの研究を重ねて来られており、目の前の子どもに向き合いながらより良い治療を提供しようと、努力をしています。

そんな中、なぜ当院では「小児矯正が必要である」と言う立場をとっているのか。

白石みなえ先生

子どもたちにより健康に成長してほしいから。

日々大人の方々のお口の中を治療したり、さらにお年寄りの方の入れ歯の治療をしたり、歯だけでなく顎の症状や噛み合わせの問題、今では全身疾患と口腔内の健康が非常に密接なつながりがあることもわかってきています。

これらの問題に向き合うためには、やはり幼少期からの取り組みが不可欠です。

もし、お口の中に関する小さな不具合をいち早く整えることができていたら、その問題は大きくなることなく、より良い状態を維持できます。

また、幼少期から「歯並び」がきっかけでトレーニングや治療に取り組むことで、自身の口腔内への関心も育てることができます。

さらには、歯並び治療の一環で、食べ物のお話もするため、健康のために「何を選択する必要があるのか」を知らず知らずのうちに身につけることもできます。

例えば、私たち大人が姿勢を良くしようと気をつける場合、これまでの習慣を変えるには非常に大きな苦労が伴います。

子どもたちにとって、その習慣を変えることは大人ほど大変ではありません

小児矯正と聞くと、歯並びだけに目が向いてしまいますが、お口の健康を育てる治療として考えると、必要なことだと少しイメージが湧くかもしれません。

健康の土台づくりができることも小児矯正の大きなメリットです。

小児矯正せずに成長したらどうなる?

矯正治療において、成長期にできることは限られるため、大人になってからでは取り組めないことも多々あります。

  • 上顎の成長を促進できる
  • お口の正しい機能を身につけることができる
  • 顎の成長を誘導するすることができる

これらのことは特に成長期だからこそ取り組めることになります。

もし成長期に上顎を適正な大きさに育てることができなかったら、顎が小さいままのため、歯が顎の中に並びきれず、歯並びが悪くなってしまいます。

成長期は上顎の骨が柔らかく装置の使用で拡大することができます。

大人になって矯正したい!と思い治療を行う場合、上顎を大きくするために顎にネジを埋め込む装置を使って拡大することが必要になり、矯正治療の難易度は高くなってしまいます。

また、お口の筋肉の使い方も歯並びや顎の成長に大きく影響するため、成長期に正しい使い方を身につけていない場合、大人になっても癖が残り、仮に矯正治療で歯並びを良くしたとしても、後戻りが起こりやすくなってしまいます。

大人になって癖を改善することは骨の折れることであり、苦労されている方もいらっしゃいます。

顎の成長はまさに成長期に起こることであり、上顎は10歳前後までに完了し、下顎は思春期にピークを迎えます。

成長期の時点で顎がズレていたとしたら、自然に治ることは少なく、ズレたまま大人になってしまうことがあり、その結果、顎関節に問題が出てしまったり、歯に問題が起こってしまったりと様々な症状が出る可能性が高くなってしまいます。

もちろん大人になってから矯正することで改善することはたくさんありますが、成長期に取り組むことで将来の問題を小さくすることができます。

小児矯正をしたら大人になって矯正は必要ない?という疑問を持たれる方もいらっしゃいます。

必要ない場合もあれば、最終的な矯正が必要になる場合もあります。

成長期に顎の大きさや顎の位置を整えたり、機能を向上したりしても、どうしても美しい歯並びのために最終調整が必要になる場合があることも事実です。

仮に大人になって矯正をする場合でも、小さい頃から取り組むことで矯正の難易度を下げることができるため、成長期の矯正は非常に大きな効果があると考えています。

お子さん いくつ当てはまりますか?

  • 歯並びが悪い
  • お口がポカーンと開いている
  • 鼻がつまっている
  • アレルギーがある
  • いびきがある
  • 歯ぎしりがあり
  • 寝ている時の呼吸が気になる
  • 落ち着きがない
  • 喋り方が気になる
  • 食べ方が気になる
  • 姿勢が悪い

などなど

もしこれらの症状が見られる場合は要注意!

歯並びと関係ある?と思われる方きっといらっしゃると思います。

全て関係があります。

これまでお話してきたように歯並びは結果であり、SOSのサインであり、これらのサインを見逃すことなく原因に対してアプローチすることが何よりも大切です。

そして、成長期はそれができる貴重なチャンスです。

「もしかしてうちの子当てはまるかも・・・?」

と思った場合は、どんなことでも構いません。ぜひご相談ください。

歯医者さんで相談してみよう!

よく保護者の方に「気になることあってもどこに相談したらいいかわからない・・・」とのお声をいただくことがあります。

例えば、

・いびきがあるんだけど、相談するほどではないけど気になる

・歯ぎしりが結構あるけどどうしたらいい?

・口は開いているけど、それって何か悪いの?

・耳鼻科や小児科に行ってるけどいつも鼻がつまってるし治らないのは仕方ないのかな

・喋り方気になるけど相談したけど改善しない

・とにかく落ち着きがない。子どもだから仕方ないのかな?

・姿勢が悪くていつも注意してるけど全然言うこと聞かない

・寝ている時、息が止まってる気がする・・・

これら以外にもたくさんのお悩みがあるけれど、歯医者さんで相談していいのか、小児科で相談する方がいいのかわからない方が多いように思います。

歯科医院は多くの子どもが定期的に通院してくれるため、成長を一緒に見守り見届ける場所でもあります。

また、お口の中の変化を見ることで、成長が健やかに進んでいるかについても見ることができます。子どもたちとコミュニケーションを取りながらその子の状態を確認でき、保護者の方とコミュニケーションをとることで少しでも悩んでいることに寄り添うことができる場所だと考えています。

実際に「寝ている時の息の仕方が気になる」とご相談いただいたケースがありますが、当院連携先の小児科の先生のご相談をし、解決した経験もあります。

小児矯正を行なっていたお子さんでしたが、相談先があることでとても安心したとのお声をいただくことができました。

睡眠の問題と歯並びや顎の成長も非常に深い関係があります。

睡眠の問題を抱えることで、成長や学習能力、行動にも影響があることも研究からわかってきています。

白石みなえ先生

成長期に子どものお口とお顔と身体の成長を健やかに導くことができること、これが小児矯正の最大の魅力であると考えています。

みなさんからのご相談、お待ちしています。

ABOUT US
白石 みなえ
福岡県出身
慶應義塾大学法学部政治学科卒業
長崎大学歯学部卒業
医療法人 雄之会 つきやま歯科医院 勤務
医療法人 星樹会 はち歯科医院 勤務 
日本小児口腔発達学会
日本小児耳鼻咽喉科学会

小児矯正を専門に 年間200人以上の子どもたちの診察を行う
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